右頬のわたし。

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翌朝、私はリカちゃんと叫び声と共に目を覚ます。 「えーっ!ニキビすっごい大きくなってるんだけど!顔も浮腫んでるしガサガサだし、アイシャドウ色素沈着してる!」 リカちゃんは指で恐る恐る私をツンツンしてくる。 どう?リカちゃんが全然休まないから私昨日はほぼ徹夜して体を大きくしたのよ!ファンデーションも手伝ってくれたからかなり大きく成長できたはずよ!心なしか形もハートに近づけたわ! 「リカ最近倒れるように寝てるじゃん。少しは仕事セーブしないと」 うん、うん、ワタルくんいい事言うじゃない。 「頑張ってるリカも好きだけど、元気がないリカは心配」 「ワタルくん…」 ちょっと、朝からいい雰囲気にならないでよね。 私が赤いのかほっぺが赤いのか分からなくなるじゃない! 私もワタルくんもリカちゃんの夢や仕事を応援したいけど、それと同じくらいリカちゃんを心配してるのよ。 でも私とワタルくんの思いが伝わったのかその日のリカちゃんはちょっと違った。 仕事をテキパキとこなして、いつもはカロリーバーだけのお昼ごはんにちゃんと野菜サラダと野菜ジュースを付け加えていて、会社も5時には出ていたわ。 リカちゃんえらいね! リカちゃんは帰り道に何やらお買い物をして、家に帰ったらお風呂にゆっくり入ってさっき買ったであろうもの私に塗りつけた。ひんやりしてて体に何かすーっと入ってきて私もなんだか眠たくなってくる。 「早くよくなりますように」 大好きなリカちゃんの声が子守唄みたいに聞こえてくるわ… リカちゃんがそんな生活を続けた頃、私もものすごく小さくなってしまってリカちゃんとのお別れが近いのを感じていた。 こんな時私はいつも寂しくて右のほっぺに居続けたくなるけど、私の役目もちゃんと終了しないとね。 朝起きて顔を洗いスキンケアをしていたリカちゃんをワタル君が鏡越しに覗き込む。 「リカ、なんか最近キレイになったね」 「「えっ?」」 リカちゃんのほっぺと一緒に私もちょっぴり赤くなったかしら。 ううん、もうお別れみたい。 リカちゃん、私に会ったらいつも悲しそうな顔をするけど 私はお別れする前にいつもリカちゃんの笑顔が見れて幸せよ。 また会いたいけど、しばらくはワタルくんとの中を邪魔しないでおくわ。 だからリカちゃんも疲れたら休憩するのよ。 私もしばらくおやすみするね。 あなたの右のほっぺが大好きよ。
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