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「御免下さい!魔術法務事務所あんみつからやってきました、鳥越キミと申します」
インターホンの前で待っていると、中からスーツ姿の女性がやって来た。キミの顔を見ると、中に入るように促され塀の内側に入ると、手入れの行き届いた庭を通り抜け純和風の屋敷の玄関に案内された。
「此方でお待ちください。主人が来ますので」
そう言い、暫く待っていると屋敷の奥から浴衣着姿の男性が気怠そうにやって来ると、玄関に座り込み団扇で扇ぎながら話しかけてきた。
「お待ちしてました。依頼主の坂本です、貴方この間お会いした方ですね」
「そうです。鳥越キミと申します、この家に無断で攻撃魔術を打ち込んだ形跡があると言う話は聞いています」
依頼内容を再確認しながらキミはそう言った。依頼主である坂本の家の塀で攻撃魔術を使った形跡があり、それが週に何度もつけられていたとの事であった。
「中に魔術が入ってきていない事と、同じ場所に打ち込まない事から、恐らくはイタズラか無断で練習している可能性もあると思われます」
事件性で言うなら低いと説明すると、一安心したのか団扇の扇ぐ速さがちょっと早くなった。
「怨恨や恨み辛みでなくて良かった。ただのイタズラなら捕まえて注意すればいいだけですが、それ以外となると面倒な事になる可能性が高いと思っていましたので」
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