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「残留魔力の検査はお済でしょうか?そこから犯人特定に繋がるかと思われますが」
「今ラボにお願いしている所です。しかしイタズラにしては性質が悪いですね」
スーツ姿の女性は既に手配している魔術研究所の連絡先をキミに教えると、直接結果が出た場合に連絡を入れて貰えるように手配してくれた。
「この崩れ方は波動系ですね。波動系魔術は、魔術規定巡視法第七条で禁じられていますので、法律に引っかかるので取り締まる事は出来るんですが」
「早く捕まって欲しいです。それにしても魔術法務事務所の方が直接取り締まるんですね。私はてっきり法で取り締まった人に裁量を掛けたり事務処理をする人だと思ってました」
魔術法務事務所が世間に認知され始めてから、まだ十年ほどしか経っていなかった。突然、魔術を発現し始めた人々が発見されたのも同じころであり、法律もまた急務で執り行われた所為でも有った。
「普通は国の魔術管理課がやってくれるんですが、結局取り締まる事もそうですが、後手後手に回ると解決できなくなってしまう様な事象も多いので、現場仕事も出来ないと駄目なんですよ」
そうキミが言い、別の職種である筈の取り締まり業務権限を持つ事になった経緯の説明をしていた。
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