33人が本棚に入れています
本棚に追加
「って、あの人!多分あの人この間もこの塀の辺りでウロウロしてた不審者です!」
スーツ姿の女性がそう叫んだ瞬間指差した。自分の事を言われている自覚があるのかすぐさま踵を返し駆けだした為、キミは全力で追いかけはじめた。
「待ってください!お話を、お話を聞かせて下さい!」
キミが追いかけながらそう叫んだが一向に止まる気配が無かった為、キミは腕を回すと逃走していた何者かは突如、足を掴まれたようになり倒れ込んだ。
「い、でぇ」
転んだ拍子に足をくじいたのか、悲鳴と共に足を押さえたまま倒れ込んだ不審者は地面に倒れたまま足を押さえ傷みに堪えていた。
それはキミが使った魔術であった。一般区域でも攻撃系、爆破衝撃系の魔術でなければ許可を得て使用する事が出来た。鈍足の魔術を片足だけに使い、足を絡ませて転倒させることに成功したキミは不審者に駆け寄る。
「捕まえましたよ!貴方なんで逃げたんですか!話は一緒に警察署に行ってから聞きましょうか」
「す、すみません悪気はなかったんです!ただ、あそこのお屋敷の女性が変なんです」
最初のコメントを投稿しよう!