33人が本棚に入れています
本棚に追加
デニムパンツにパーカーのフードを被っていた為、男性かと思われたがどうやら捕まえた人物は小柄な女性であった。フードから零れた黒髪はセミロングパーマであった。
「私、柊って言います。貴方あそこのお屋敷の魔術痕を調べに来たんですよね?」
「ええ、ラボに出しているからすぐに犯人は捕まるかと思われますが。私は魔術法務師見習いの鳥越キミと申します。とにかく今する話は録音させて頂きますね」
そう言うと、柊と名乗った女性は”構いません”と答え、しかめっ面のままキミに話しはじめた。
「実はあの家で深夜によく爆発音がしていたので、私は個人的に調べていたんです」
「どういう事でしょうか?話が見えませんが」
キミはそもそも、柊と名乗る女性の事を犯人だと思い疑いの眼差しを向けていたが、どうにも嘘を吐いている様にも思えず話だけでも聞いてみようと言う気になっていた。
普通であれば魔術法務師の名を出しただけで、自分に少しでもやましい気持ちが有ればボロを出したり吐露する事が多いが、柊にそれが見えなかった。
最初のコメントを投稿しよう!