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「先生、生きてますかぁ?」
「生きてません、人工呼吸を所望する!!」
「嫌です!」
黄色いペンギンは寝たままゴロゴロと転がり、壁に当たるといじけた様に壁を向いたまま固まったが、気にした風もなくキミは久方ぶりのデスクワークに勤しんだ。
「そう言えば先生、さっきの人って確か愛村さんですよね?彼氏を探してる」
「そうだが、何か気になる事でも有ったのかね?」
壁に足をつけ腰をクネクネさせながらそう答えたジョーは、欠伸をしながらペンギンらしからぬふてぶてしさで、涅槃像のポーズに収まった。
「先生の人脈と腕なら、探し人の目途はすでについてるんじゃないんですか?」
「ああ、その事ね。もう見つけてあるよ」
ジョーから理解出来ない言葉が飛び出した。探し人である男性は既に見つけてあると答えたのだ。ならば後は依頼者にその場所を伝えれば、この仕事は終りになるはずであった。
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