キミが守る魔術

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 後日。柊と会う事になったキミは、ひと気のない喫茶店で待ち合わせていた。  店内は薄暗く、年季の入った店内はコーヒーの香りが店全体に染みついてる様にも感じた。先に来ていたキミは初めて来た店に少し戸惑いながらもコーヒーを頼み柊を待った。  腕時計を見ると、待ち合わせ時刻のまだ十分前である。その間に、この間の事件の事を振り返り坂本が結局どうしてああなったのかを考察してみたがやはりわかる筈も無かった。 「お待たせしました、すみません!仕事少し立て込んでしまって」 「え!そんなに時間経ってないと思いますが、あれ」  腕時計を見ると、待ち合わせ時間を十分ほど過ぎていた。考察に夢中になっていた所為か、休日で気が抜けていた所為かは解らなかったがキミはかなりの時間呆けていたようだ。 「いえいえ、お気になさらずです。それで、この間言っていた知らせたい事って何でしょうか?」  柊がミルクティーを頼むのを見届けた後すぐさまキミは早速切り出した。直接会って言いたいと言う事はもしかすると考察していた事なんじゃないかと思ったからである。
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