キミが守る魔術

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「スミマセンが今日は此処までで。お時間取って頂き有難うございました」 「いえいえ此方こそ。そう言えばこれは独り言だけど、多分って言う男は本業の他に隣町の工場で働いているそうよ」  本来、こういった情報は同業者であれば、なおの事話す事など無かったが柊にとってどういう訳かキミは放っておけない存在の様で、つい手助けしてしまったのだった。 「ありがとうございます!もし、調べて居なかったら是非寄らせて貰います」 「だから独り言だって。じゃあね」  キミにとってそういった業界の決まり事自体に馴れていないのか疎いのか解らなかったが、柊にお礼を言って急いで事務所の方に戻って行った。  急いで事務所に戻ると、ジョーはキミのロッカーを何とかこじ開けて中の衣服をはぎ取らんとせんが為にロッカー破壊に勤しんでいた。 「何やってるんですか!この、世界一の破廉恥鳥類!」  そう叫びながらキミのロッカーを開けようとしていたバールを奪って、ジョーの頭にバールを突き刺した。頭から噴水の様に血を噴き出しながらキミに”ジャアイコウカ”と何も無かったかの様に装いながら事務所を出た。
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