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頭の出血を気にもしなかったジョーの頭はすぐに元に戻っていた。何せ悪魔だもので。向かった先は多分の家であったが、鍵が掛かっているのか大家を待ってるキミの先輩が立っていた。
「あ、姫香先輩だ!姫香先輩中まだ入れないんですか?」
「あぁ、鳥越か。丁度今大家さんが合鍵を持って来てくれたところだが、中に人の居る気配が無いから確認だけになるな」
姫香と呼ばれた女性は、高身長の長いポニーテールが特徴的な女性であったが、何よりも彼女の凄さはその体の全身が鋼の様に筋肉に覆われている所であった。
「や、やや。やぁ。姫香君も此処だったんだね」
「あぁ?何で此処に野良ペンギンが居るんだ?保健所に突き出してやろうか」
姫香はジョーを見つけるなり睨みを利かせる。今はキミがジョーからのセクハラを受けているが、以前は姫香が受け持っていた事と、そのリスクの大きさは彼女の筋肉が物語っていた。
「近寄んなって言ってんだろうが、このセクハラ妖怪が。殴るぞ」
「殴ってから言わないで。これでもデリケートなお年頃なんだから」
年頃がデリケートなだけなら全然関係ないのではないかというツッコミも無く、ガチャリと言う音と共に扉が開かれた。錆びついており長年使われ劣化を余儀なくされた扉は蝶番のネジが幾つか足りなかった。
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