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多分の部屋の中に入ると、殆ど帰って来ていない事が解った。部屋の中に土足で入ると、カビ臭い室内は片付いてはいたが、何処もかしこも埃だらけであった。
まるで、主を失った室内は何年もその生活感を残したまま時間が経ってしまったかのような雰囲気を醸し出していた。ジョーの話によると家は愛村が合鍵を持っている為、帰る事は殆どなくなったと言う情報を手に入れていた。
「なるほどね。じゃあ次行くか?此処には手がかりすら無さそうだし」
姫香がそう言うと、キミは”それもそうですね”といい次は、普段生活をしていた筈であろう、多分の本物の彼女の家に向かう事にした。多分の家から二駅分ほど移動した先のアパートで何やら揉めているような声が聞こえて来ていた。
「ビンゴかな。とにかく急ごうか」
姫香がそう言うと、アパートの自動ドアを無理矢理手で開くとそのまま階段を使って二段飛ばしで上へと上がっていく。”ってか場所知ってるんですか?”そうキミが言うとジョーが答えた。
「って!一個下の階なんですけど!!姫香さん!!」
「先に言え!!この愚鳥がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
姫香は所をサッカーボールの如く蹴り飛ばすと、姫香は”声こっちから聞こえた気がしたんだけどなぁ”と、どうやら揉めていた声を頼りに上って来ていた様であった。
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