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掛け持ちの職場はコンビニであった。ダブルワークも当たり前の世の中ではあったが、用もないのにコンビニのバックヤードに入れて貰えるとは到底思えなかった。
今のご時世。仕事でもないのに職場の裏側に従業員が居れば、何かよからぬ事でもするのではないかと思われるのが関の山である。事情があるにせよ、逃げ込んで匿って貰える可能性は低いと感じていた。
「コンビニのバックヤードって狭いんですよね。だから此処の中には多分いないと思います」
キミは経験上。コンビニのバックヤードに隠れる様なスペースは無いのだと理解していた為、店内には居ないと踏んだ。その為、そのコンビニの近くにある公園や休憩出来そうな場所に的を絞った。
「この辺りで休憩時間に休むのにお金を使わず食事できるスペースが有ればそこにいるかと。どうやら店内にイートインスペースもありませんし」
仮にあったとしても、従業員なら他の従業員の目を気にして少しでも店内から出たいと考える事が普通である。ならば休憩をとるのに適した場所に逃げ込んだ可能性はあるとキミは考えた。
「なら、さっき通った道に大き目の公園あったけど」
姫香がそう言うと、ジョーの頭を掴んだままキミと二人して、その公園に向かった。途中”頭蓋が割れるぅぅぅ!!”という悲鳴にも似た声が聞こえた気もしたが急ぎの為、姫香もキミもとにかく足早に公園に向かった。
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