キミが守る魔術

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「あの、此処魔術法務事務所でしょうか?甘味処じゃなく?」  恐る恐る事務所の扉を開けた女性は、間違えてはいないだろうかと扉を少し開けて中を覗くと、事務所である事を確かめる様に室内を見回した。  葉っぱ柄のワンピースを着た女性は、長い黒髪を靡かせながら中に入って来た。見ればキミより少し幼そうな顔立ちの女性だった。 「あ、お客様ですね。此方のソファにお掛けになってお待ちください」  キミがそう言うと、女性はそのまま中に入りソファに座る。キミがお茶を差し出すと女性の向かいのソファに座り、バインダーの様な物とペンを取り出した。 「先生のお話の前に、どういったご用件か先生に来て頂く前に、ある程度私が受け持たせて頂きます鳥越キミと申します。取りあえずこの記入用紙にご記入をお願いします」 「あ、私は愛村イチズと申します。アンケートみたいなものですかね。すぐに書かせて頂きます」  愛村の依頼は人捜し出会った。ずっと付き合っていた彼が居たそうなのだが、どうやらその彼がある日、突然居なくなり探して欲しいとの依頼であった。 「彼を探すんですね。取りあえず探す方の写真のコピーを頂きたいのと、愛村さんは彼が出て行った事に何か心当たりがありますか?」
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