キミが守る魔術

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「いえ、特には。彼は何時もシャイなのであまり喋らなかったので」 「なるほど。探索魔術(サーチマジック)は個人情報取り扱いが難しいので彼のご実家かご家族の電話番号も教えて頂けますか?」 「スミマセン、私は彼の実家の番号を知らないんです。彼は天涯孤独の身でしたので」  確認が取れなければ探索魔術を使う事はこの世界では許されない。つまり現状は顔写真だけで探す他無い。不可能ではないがかなりの時間と労力を伴う事となる。 「それで此処の魔術法務事務所に来たんです。探偵さん達はこぞって探索魔術の許可を貰う事が出来ないから、とにかく許可を貰えるよう魔術法務事務所に相談してくれと」 「どうかお願いします!もう此処しか頼る場所が無いんです」  うちは探偵では無い。と言いたかったがどうにも他にあたる当てももう無さそうな依頼主である愛村を見ると、一応先生に相談だけでもしてみると言い暫く待つように促した。  あんみつの事務所は簡単に言えば狭い。客間とは簡単な仕切りをしているだけである為、ジョーは自分の仕事をしつつ彼女たちの話は既に耳に入っていた。 「先生!どうか彼女を助けられないでしょうか?」
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