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「キミ君、安心したまえ。困っている者に手を差し伸べるのは当然の職務だ」
ジョーはそう言いつつ、ねっとりとした視線を依頼主である愛村に向けていた。様子のおかしいジョーの様子を気にしつつ、キミは取りあえず許可が下りた為、ジョーに依頼主に会って貰う事にした。
「では先生お願いします。此方が依頼主の愛村さんです」
そう言われると、仕切りの向こうから羽根を羽ばたかせて、ちょっとだけ宙に浮いた状態で移動してきたジョーはそのままソファに降り立った。
「初めまして。私はジョー、取りあえず電話番号を教えて下さい」
「電話番号ならこの紙に書きましたが、どういった意味でしょうか?」
個人的にと言うジョーは後でキミにかなり叱られたが、怒られている間も黄色いペンギンは何処かご満悦で、ちょっとキモかった。
「スミマセン。先生は今日突然用事を作っ、、、出来ましたので、代わりに依頼受けちゃいますね」
見れば、半透明なゴミ袋の中に入った黄色いペンギンが仕切りの向こう側から少し見えたような気もしたが、愛村は触れてはいけないような気もした為、黙ってキミに渡される契約書にサインをしていた。
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