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幼稚園の頃、
「今日はお父さんのお顔を作りましょう!できたら父の日に「いつも、ありがとう」ってプレゼントしようね」
先生がそんなことを言うから
「おとうさん?……うちにいるのはおじいちゃんだけど……みんなはおじいちゃんのことをおとうさんってよぶのかな?」
私は一生懸命おじいちゃんの顔の灰皿を作った。
絵の具で色を塗る時に先生が
「りなちゃん!りなちゃんのお父さんは髪の毛黒だと思うけどな?」
そう言われて、きょとんとしたらしい。
「うちのおじいちゃんはかみのけシロだよ?」
「うん。おじいちゃんはね!お父さんは黒だったよ」
「だれ?それ……」
その日、先生は慌ててうちのお母さんに電話をしたらしい。
「りなちゃん、お父さんを知らないって言うんですが!!」
って。
だって、当時夜中2時過ぎに帰って来て朝6時には家を出ていたんだもん。幼稚園児が会う訳ないじゃん。
土曜日も仕事。
日曜日は普段寝れない分、ずーっと部屋で寝ていてほとんど顔を見ない。
そんな人、知る訳がないんだよ。
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