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隠れていた主人はあっという間に宙に浮いた。当の本人は空中で溺れかけた人のように手足をばたつかせている。
「え!ウソっ!?浮いてる??何で!?ちょっと待ってー!」
「どうやらこの能力は体重に比例するようで…。猫の時はせいぜい40kgくらいが限界でしたが、この姿ではまだまだ余裕がありそうです」
肉まんは元のお皿の上に、そして主人は俺の腕の中へと誘う。
「ね?すごいでしょ?」
「す、すすす凄いことは、分かったから…!早く下ろして!これじゃお姫様抱っこじゃないのー!」
「織姫様を抱っこしてるだけですよ」
自分で言った屁理屈にクスクスと笑いつつ、離れていく温もりを惜しみながら彼女を椅子に座らせた。顔を赤くして足をばたつかせる姿をもう少し堪能したかったけれど。
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