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「ぐっ…。それはまぁ、そうだけど…。実際に会ってるのとは違うのよ!」
「ま、そりゃそうですけどね。七夕まであと2週間くらいでしたっけ?それまでに、治した方がいいんじゃないですか?」
「へ?何を?」
一応天界は天帝の一人娘だというのに、どことなく抜けたこの人は口の端にケチャップを付けて、キョトンとこちらを見ている。
「顔ですよ、顔。肌荒れしてますよ。ニキビってやつですか?」
「嘘っ!?」
「嘘じゃないです。夜更かししてお菓子食べながらゲームしてたら当然のことです」
「どうしよー!うわーホントだ…」
主人は慌てて自分の白い肌を撫でた。
「こんなんじゃ、彦様に会わす顔がないよー!どうしよう!?」
「何を今更。リモート逢瀬で散々見られてるじゃないですか」
「違うの!その…美肌モードとかぁ、ちょーっとだけ細く見える加工とかぁ、しててぇ…えへ」
「新手の詐欺ですか?」
「なっ!ち、違うもん!少しでも彦様にキレイだなって思われたくて…」
全くこの人は…。彦星様のこととなったら、まるで恋する乙女のように頬を赤らめるんだから。もう何年も何年も変わらずに…。
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