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『まあぁ!猫ちゃん、喋れるの!?すごーい!』
『偉い…偉いね…』
そう言うと、ボクの身体を優しく何度も撫でながら、織姫様は口を閉じた。
その後、ふんわりと甘い香りがする柔らかいものに包まれて、気付けば織姫様の屋敷で寝かされていた。
結局あの人は、ボクが物を宙に浮かせようが動かそうが、同じように驚きつつも褒めるだけで、あっさりとボクを受け入れてくれたのだった。
「ボクが猫じゃなかったらな…」
シュッ…シュンッと音を立てながら、何処かに落ちていく星々を見上げながらポツリと呟く。
いや。いやいやいや、待て待て待て。
ボクが猫じゃなかったら、何だと言うんだ?
「ボクが猫じゃなかったら……?」
もう一度呟いた時、背後から凄まじいスピードの光が迫っていたことに、ボクは全く気付いてはいなかった。
「痛ってぇ…」
土埃と砕けた流星の欠片の熱さで思いっきり咳き込む。どうやら流れ星が自分に直撃したらしいことは分かった。何となく後頭部が特に痛い。しかしボクはまだ生きているらしい。それなら早く織姫様の元に帰らねば…。
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