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ヨシオくんたち
そこへ、ワイワイ騒ぎながら小学生の五人組がこの公園にやってきた。
「はい、皆さんお静かに! それではこれから合唱の練習を始めたいと思います! 練習中は、班長であるこのぼくの指示にきちんと従ってください! 皆さん分かりましたか?」
「ハーイ! そうよみんな、班長のヨシオくんの言うことちゃんと聞かないとダメなんだからね!」
「うるせぇミナ子! なんでヨシオの言うことなんか聞かなきゃいけねーんだよ! 合唱の練習なんかやってられっか! おいイネオ! 退屈だからいっしょにメリーゴーランドで遊ぼうぜ!」
「そうだそうだ! タケ坊の言うとおりだ! いっつも鼻水たらしてるヨシオの言うことなんて聞くもんか! ねぇタケ坊待ってよー!」
タケ坊とイネオはそう言って、でもこの公園にはメリーゴーランドは無いので、二人で小さなブランコに乗って遊び始めた。
「ちょっと! タケ坊イネオ! ちゃんとヨシオくんの言うこと聞きなさいよ!」
「ふふふ。ミナ子ったらずいぶんヨシオくんの肩持っちゃって。もしかして、ヨシオくんのこと好きなんじゃないの~?」
「な……何よシズ子、そんなこと言ってあんたもほんとはヨシオくんのことキィィィ~~~!!」
「痛い痛い痛い! ちょっと何すんのよ! あたしは別にヨシオくんのことなんかキィィィ~~~!!」
そう言いながら、ミナ子とシズ子は取っ組み合いのケンカを始めた。
「ちょっと、皆さん、班長であるこのぼくの話をきちんと聞いてください! タケ坊くんイネオくん、その小型のブランコで遊ぶのを止めて早くこちらへ戻ってきてください! それからぼくがいつ鼻水を垂らしていたと言うのですか? 妙な言いがかりは止めてください! ミナ子さんシズ子さん、このぼくを取り合って争うのはもう止めてください! ぼくは誰のものでもない、あなた達みんなの班長なのだから! それと、さっきからそこで子犬と追いかけっこをしている女性の方! ちょっと邪魔なので追いかけっこをするならどこか他のところでやっていただけませんか? とにかく皆さん、班長であるこのぼくの指示にきちんと従ってください! 勝手な行動は取らないでください!」
「アハハハハ! やっぱりメリーゴーランドは楽しいなぁイネオ!」
「アハハハハ! そうだよねやっぱりメリーゴーランドって楽しいよねタケ坊!」
「ヨシオくんは誰にも渡さないわよキィィィ~~~!!」
「だから! あたしはほんとにヨシオくんのことなんかキィィィ~~~!!」
「るんる~ん♪ みぃたん待ってよ待ってよ~!」
「みぃみぃ! みぃみぃ!」
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