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 けれど、父には、心積もりがあったのだ。2年過程だが、その間でも、公務員試験を受ければいいと。  実際、1年次でも受けろと勧めてきた。しかし、学校の勉強も資格の勉強もある。2年生で就活をするということは、1年生でほぼ、資格を取得しておかなくてはいけないのだ。その勉強があるからと言って、受けなかった。  私は、自分で無理だと思っていたのだ。公務員試験はどの教科も水準以上の成績を取らないといけない。それに、採用人数が、極めて少ないのだ。  父は、言っていた。 「できる者を上から採用していくんやから、勉強すれば受かる。簡単なことや」  簡単なわけないじゃないか。父は、専門職で採用された。普通科出身の私は一般職だ。同じにしてもらったら困る。それに、自分がなりたい職業でもないのに、気力が湧かない。  何より、父の言いなりになりたくなかった。  2年次では、父は本格的にごり押ししてきた。  けれど私は、学校から県内では名の通った企業を推薦され、受けて内定をもらった。父は何も言わなかったので、それで納得したものと思っていた。
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