トゥインクル・アゲイン

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『パルテーン先生は、意地悪をするんだ。クラスで優等生の子ばっかり優遇して、その子がいじめをやってるっていう話を全然信じてくれない!だから俺はムカついてやってやったのさ!なんといっても、ちょっと前に空中浮遊の魔法を覚えたばっかりだったからね!』  オルゴが胸を張って、学校でやったイタズラの話をする。 『授業参観のその日、こっそり机の中に魔導書を隠しておいて、父さん母さん達の前で発動させてやったのさ。先生が起立!礼!ってやった瞬間……何が起きたと思う?』 『え、なになに?なんなの?』 『パルテーン先生はおっさんだ。かなり良い年の、太ったおっさんなんだ。授業参観の日は気合を入れて、いつもよりふっさふさの頭を作ってきたのさ、あとは……わかるな?』 『ぶふっ』  その場にいた全員、思い出して大爆笑だよ。いやあ、あれは面白かった。先生が頭を上げた瞬間、ふわーりと浮かび上がる先生のカツラ……顕になるハゲ頭に、凍りつく教室!いやあ、あれは絶対、見ていたお父さんお母さん達も笑ってた。絶対笑ってたね。当然、すぐにオルゴがやったのがバレて、とんでもない雷が落ちてたわけだけど。  ガキ大将で乱暴者だけど、弱い者に絶対暴力は振るわないし、すすんでみんなを助ける。それがあいつのすごく良いところだったんだよなあ。ぶっちゃけ、オルゴがやってなくても僕がやってたかも。いじめしてるのが優等生だからって、そっちの話ばっかり聴いて、被害者を責め立てるなんて教師として間違ってるもんね。    ルーイは僕達の話を聞くと、お礼に空に綺麗な流れ星を一つ見せてくれるんだ。その流れ星が光っている間に、お願い事を言えたら叶うっていうんだよ。でも、あまり大きすぎるお願いはいけない。叶えられるのは、ささやかなお願いだけ……例えば、来年もみんなでおんなじクラスになりたいとか、久しぶりにチカの木の実のパイをお母さんが作ってくれますように、とかね。  雨の多い僕等の国は、星空が綺麗に見える夜はそこまで多いものじゃない。ルーイと会えるのは、多くて週に一度くらいだ。それでも僕等は、夜にこっそりみんなで会うその時間が大好きでたまらなかったのさ。きっと、ルーイもそうであったと信じてるよ。
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