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6.憧れの新幹線
米原駅はJR西日本とJR東海の境界駅だ。この駅から東はJR東海の路線に変わる。私たちが乗り換える予定の普通電車もJR東海の電車だ。新快速がホームに入ると、向かい側には、先に普通電車が停車していた。
オレンジのラインが車体に施してあるその電車は今まで乗ってきた新快速の半分くらいの長さしかなく、一気に田舎くさくなった。
米原より先に向かう乗客たちが新快速から普通電車に移動していく。
私たちも新快速を降りて向かい側の電車に乗り込んだ。
車内は予想外に混んでいた。座席はすべて埋まっていて、通路には座れなっかた客たちでいっぱいだ。
「うわっ! めっちゃ混んでる。これはもしかしたら終点まで立ってなあかんかもなぁ」
「え〜、マジで? ずっと立っとくの?」
肩を落とす祐樹の背中を叩いた。
「安心し、終点の大垣駅までは三十分くらいや。それくらいやったら我慢できるやろ」
そうこうしているうちに電車が動きはじめた。私は祐樹が転ばないように体を支えてあげた。
電車が走り出してしばらくすると別の線路が見えてきた。その線路をぼんやりと眺めていると突如、白い物体が目の前に現れた。
「あっ、新幹線!」
私がそう言うと祐樹は窓に近づいた。
「あれに乗ってたらこんな目に遭わなくすんだのにぃ〜」
名残惜しいそうに祐樹は新幹線が過ぎ去った方を見つめている。
私だってお金があったら、新幹線に乗るに決まっている。でも現時点での私の所持金では青春18きっぷが精一杯だ。
大垣駅に着くと豊橋行きの快速に乗り換えた。今度は乗客も減ったようで座席を確保することができた。これで豊橋までは安泰だ。
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