星降祭

星降る夜に

「さあ、さあ、よってらっしゃい。見てらっしゃい！　今年の星降祭はとびきりだよ！　なんでも今年は神様が人間界に６憶もの星を空から降らしてくれるという大盤振る舞いなんだよ！　今宵は御見逃しなくー！　さあ、さあ、よってらっしゃい。見てらっしゃい！」

　出店の商人は星空からの星の降下を手もみをしながら待っている。
　人々が拾った星々はこの出店の商人や他の商人も、お金と景品と交換しようと目論んでいるようだ。

　今年もやってきた星降祭。

　なんでも、今年は珍しく空からの星を一番多く拾った人に神様が特別なクリスマスプレゼントを渡してくるのだそうだ。

　私はある日から一度も年に一回の星降祭で星を拾わなかった。

　姉が死んだ。
　自動車事故だった。

　姉は交差点へと突っ込んだ４ｔトラックに引き摺られ、おおよそ４０メートルまで死の苦痛を味わい……死んだ。

　それ以来、当然神様が嫌いになった。
　クリスマスプレゼント？　私はそんなんじゃなくて姉が帰って来てほしいだけ。

　優しかった姉は、いつも学校帰りに迎えに来てくれて……。
　新しいスイーツのお店を見つけると、真っ先に私に知らせてくれた。
　映画館では良し悪しを観た感想と交えて、この映画を観た方がいいといってくれた。

　そんな姉が死んだ。