47人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、そうそう。今日帰りに友達とテス勉してくるから、夕飯いらなーい」
「──ッ‼︎ な、なん、だ、とっ……⁈」
「そんな追い詰められた主人公みたいな驚き方しないでよ。いいでしょ別に。中間テスト近いんだし」
「な、何度も言ってるが! 正義のヒーローと悪の組織の秘密調査部とだけは付き合うんじゃあないぞ! お父さんは許しません‼︎」
「どこにいるんだよ、そんなやつ」
百歩譲ってヒーローは分かるけど(それでもそんなことしてる奴いないと思う)、なんだ「悪の組織の秘密調査部」って。
どこで何してるのが本業なんだ。
「あ、葵ちゃんは、お父さんの作った料理が食べたくないの⁈」
「てか疑問なんだけどサ、カラスが作った唐揚げってどうなの? それって共喰いにならない?」
「おっ、お父さんをニワトリ扱いするなー!」
「だって鳥じゃん」
「お父さんは人間だーー‼︎」
「怪人でしょ」
違いがよく分からん。
それに、このやりとりも何回目だ。
初めて、彼が我が家に来たあの日のことを思い出す。
最初のコメントを投稿しよう!