変わった日常

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「あ、そうそう。今日帰りに友達とテス勉してくるから、夕飯いらなーい」 「──ッ‼︎ な、なん、だ、とっ……⁈」 「そんな追い詰められた主人公みたいな驚き方しないでよ。いいでしょ別に。中間テスト近いんだし」 「な、何度も言ってるが! 正義のヒーローと悪の組織の秘密調査部とだけは付き合うんじゃあないぞ! お父さんは許しません‼︎」 「どこにいるんだよ、そんなやつ」  百歩譲ってヒーローは分かるけど(それでもそんなことしてる奴いないと思う)、なんだ「悪の組織の秘密調査部」って。  どこで何してるのが本業なんだ。 「あ、葵ちゃんは、お父さんの作った料理が食べたくないの⁈」 「てか疑問なんだけどサ、カラスが作った唐揚げってどうなの? それって共喰いにならない?」 「おっ、お父さんをニワトリ扱いするなー!」 「だって鳥じゃん」 「お父さんは人間だーー‼︎」 「怪人でしょ」  違いがよく分からん。  それに、このやりとりも何回目だ。  初めて、彼が我が家に来たあの日のことを思い出す。
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