第十七章 夜に啼く鳥 ニ

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「千手、俺は家に帰るよ。すごく眠い」  だが、千手は俺を抱えて豪華な応接室に入ると、周囲の画像を見せてくれた。 「この岳斗という子供は、地下社会にも攻撃してきました」  岳斗は、学校の図書室にあった検索用のパソコンを勝手に使用し、地下社会に第三段階の子供の遺体を送り付けた。 「この遺体には電源があって、近付いた全ての人に影響を与えた」  遺体でも脳が切り離されていて、水溶液のようなものに浸され、酸素が供給されていた。脳は、身体の所在を捜して、強い電流を流し続け、周囲に飛び散るように拡散させた。 「……地下社会に潜む、マッドサイエンス達は、こぞって岳斗から遺体を購入した。そして今度は、岳斗は影響を受けた人間で試しながら、人体発火をコントリールし始めた」  これは、岳斗が一人で行ったとは思えない。どこかに、協力者がいたのだろう。
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