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誰が悪でも正義でもなく、そこに在ったものは、残酷な現実で、生きている子供達は仲間の姿を見て、自分の未来を悟った。
「それなのに……最後は家族に恩返しがしたかったのか……」
自分の遺体を売ってくれと、噂を知って集めってきた子供達に、岳斗は方法を見つけていった。
「夏目……だから、泣くな……」
千手が、俺の見つけた情報を確認すると、タオルを頭から被せて抱き上げた。
「夏目の涙を見るとさ……昔から、何でもするから、笑って欲しいと願って、無理ばかりしてしまうわけよ……」
千手は俺の端末を操作すると、自分の端末に情報を送っていた。
「大丈夫……汚れ仕事はウチが引き受ける……山科が裏社会と話を付ける」
「え?俺ですか……」
だが山科も、俺の端末を確認して納得していた。
「そうですね。第三段階、第四段階の子供で、希望者は、遺体でも構いませんので、地下社会に来てください」
「山科!!大好き!」
俺が山科に手を伸ばすと、千手は慌てて引き離していた。
「だから、夏目……目が溶けそうなくらいに、泣くのは止めて。こっちが、泣きたくなる」
「しょうがないだろ。止まらない」
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