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仲良し?
あれから何となく近藤と会話を続けて、早いけど夕食でも済ませて帰ろうかな──この時間だとわりとここも快適だし。なんて考えていると、食堂にいる少ない生徒が騒ぎ出したのがわかった。
「?」
「あ、生徒会の……」
「あぁ、」
入り口のほうを振り返ってはみるが、ここからでは遠くてよく見えない。近藤が呟いた言葉でなんとなく状況は把握できたけれど。
「この時間に来るなんてめずらしい……」
「そうなん?」
「夕飯には早くない?」
「たしかに」
俺は食べて帰ろうかなとか考えてたけど、とタッチパネルを操作してると、頭にぽすんと軽めの衝撃が走った。
振り返ると、昼休みに見ているいつもの顔。なんかにやにやしている。
先輩の手にある丸まった冊子が、きっとさっきの衝撃の正体だ。この人は他人の頭をいったい何だと思っているのだろうか。
「………なんすか」
「どーなった?」
あぁ、この人近藤のことも手紙のことも知ってんだっけ。
ふと近藤を見ると、目の前にいきなり現れた人物に目を白黒させている。岩本先輩の後ろにいる二人はおそらく生徒会役員なのだろう。やたら美形だし、人口的に数は少ないけれどまわりの視線が痛い。
「……ふつーに友達ですけど」
「なんだ、それだけ?」
「…………」
視線でうざいと伝えると、そんな怒んなよとおもしろそうに笑われた。
怒られるようなことを言っている自覚はないのだろうか、この人には。
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