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綺麗になるために天狗様が憑いてくれました☆
うわぁぁぁぁん!!!!!
盛大に鳥居が震える。何事だ。
主殿の為の行を終えたばかり。ようやく一息つくという時にだ。この五月蝿さではまともに寝れぬ。期待はせぬが、文句だけはいいに行こう。
巣から飛び降り元凶の元へ。
「うるさい。いつまでぎゃーぎゃー喚いている。さっさと餓鬼は家へ帰れ!」
「あぁぁ、おばけぇぇぇ」
「! 誰がおばけだ。俺は立派な天狗なるぞ。この神社を護るものだ!!!」
「神様、初めてみたぁぁ。お願いします! 一生のお願い!! 美人にしてくださぁぁぁい!!!」
「だから、天狗だ! 罰当たりめ」
コロコロ表情が変わる人間は、浮いている俺の足にすがりつき泣き叫ぶ。おなごにしては重いし、妖怪と間違えそうな程の髪の長さだ。
しかし自分を視認できているので無下にはできない。
「うわぁっぁぁんっ」
「あぁもう。話くらい聞いてやるから泣き止め!」
そうして寝床につかず、うるさい人の子の騒動に巻き込まれることとなった。
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