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そして放課後、また呼び出しの手紙が下駄箱に入っていた。
差出人は岡野玲央奈。さすがに覚えのある名前だ。
俺は体育館裏へ向かった。相手が彼女だからか夏休み明けだからかは分からないが、少し懐かしい気持ちすら覚えていた。
体育館の角を曲がった瞬間に俺は反射的に角を曲がり戻ってしまった。
そこに星波杏奈がいたのである。
「えっ…なんで??朝の電車のあの子か…?」
俺は混乱しながら頭を働かせた。
「いや俺を呼び出したのはあの子じゃなくて岡野さんだから…あ!あの子も他の誰かに告白されるのに呼び出されて場所がカブったのか」
なるほどと妙に納得しつつ、曲がりなりにもあの星波杏奈の外見の人間と会話するのだと思うと心臓が高鳴った。
「こんにちは…」
「あっ!篠山くん!」
俺は思考停止した。
なぜ俺の名前を知っている?
ということはまさか。
「え…岡野、さん?」
「そうだよ?」
「…びっくりした。…最近、キレイになった?というかイメチェンした?夏休み何かあったの?」
「うん、キレイになれるように肌ケアを頑張ったの。あとダイエットとトレーニングも続けたんだ」
「そっか、すごいね」
確かによく見ると岡野の面影はあるし星波杏奈にそこまで物理的に似ている訳では無い。
しかし心臓はまだバクバクいっている。
女ってこんなに変わるもんなのか?
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