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「私の産まれた意味は、君たちに出会うことだったのかな?」
「またそんなこと。意味なんて何でもいいじゃない。ほら早く抱いてあげて。私とあなたの子を」
ずっと結婚しなかった。14の身だ。誰かを支えることなどできない。ましてや我が子まで見送ることになるのは耐えられない。ずっとそう思っていた。
「大切なものがある日突然なくなるなんて、誰もが起こりえることよ。貴方はそれがちょっと多いだけ。だって赤ん坊を嬉しくて泣いて抱きしめる貴方はどこからどう見ても普通の父親だもの」
「君は色んな垣根を軽々と飛び越えてくれる」
「だって、好きだから。私がどんな姿になっても愛してくれると言ってくれたように、私も貴方がどんな姿になろうとも愛しています」
「あぁ、僕も、愛している」
たとえこれから先、何年生きようとも、もし……君の顔を忘れてしまったとしても、この気持ちだけは忘れないでいよう。
誰かを愛する喜びを……。
了
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