第一話、ミステリーへの招待状

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 そしてその夜、千空(ちそら)は部屋の机についてその本を読み始めると、ドキドキして目が離せなくなり、眠気も吹っ飛んで一気に最後まで読み終えた。  学校で美沙子に会うまで待ち切れず、真夜中に電話したが「眠い……」と切られ、寝坊して慌ただしく朝食を食べ終えると、カバンに本と教科書を突っ込んで、玄関で靴を履きながら美沙子に再度電話して疑問を伝えた。 「これオレだろ?似てるだけじゃなくて、怪我した試合が再現されているじゃねーか?いったい、どうなってんだ」 「だから今度の土曜日、図書館でその本の謎を解き明かすから、千空(ちそら)も楽しみにしてなよ」 「わ、わかった。とにかく本は読み終えたから後で返す」  千空(ちそら)は学校でも何度か本の謎について美沙子に質問したが「今、調査中ですから」と素っ気なく言われ、千空は美沙子の思惑通り、土曜日の図書館での読書会へ招待されたのである。
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