狙撃手は突然に

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 春希は、一見フリーダム女子高生に見られがちだが、家事センスはうちの誰よりも高く、働き者だった。  今朝も、すでに朝食は作ってくれていたようだ。 「ごめん。ありがとね」 「あはは、この時間に起きて何言ってんの。狙って起きてきたでしょ」  おちょくるように笑い、サーバーからカップへコーヒーを注ぐ春希。  私がキッチンに入ると、そのカップをそのまま渡される。 「春希のは?」 「私はもう終わった。私の余りだよ、どーぞ」  そう言ってまた笑う。 「暁良は?」 「今日は図書館で勉強するんだって。もう行ったよ」 「そ、っか。あ、食べたら洗濯は私がするよ」 「あはは、もう干すところ」 「え、じゃあ今からやるよ、私」 「いーよ、食べなよ。大丈夫。昨日研究室で遅くまで大変だったんでしょ」  春希は、家事だけでなく、三人の中で一番気が回る。むしろ、それが家事レベルを上げているのかもしれない。
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