奇跡

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時は変わって2020年7月7日。 彼がいなくなって10年の月日が経った。 私は27歳になり、結婚をしてお腹には7ヶ月になる赤ちゃんがいる。 七夕の今日、私はあの公園へ向かった。 私は、彼を亡くしてから一度もあの公園には行かなかった。 高校を卒業し一親の転勤で地元を離れてから訪れることはなかったのだ。 毎年七夕になると彼を思い出す。 ずっとずっと後悔しながら生きていた。 このまま結婚していいのか。子供を産んでいいのか。 すごく悩んだ時もあった。 「きっと彼も喜んでいるよ」そう夫が言った言葉に私は救われた。 ここへ来たのも夫の勧めだった。 彼にちゃんと会って報告して見たらどうだ。夫が私の背中を押してくれた。 今、この公園のブランコに座って満天の星空を見上げる。 「ねぇ私結婚したんだ。冬には子供も産まれるよ。 10年前、部活で遅くなっちゃってごめんね。助けてあげられなくてごめんね・・。大好きだったよ。ありがとうね。私幸せになっていいかな・・?」 涙を流し星空に訴えかける私・・。 その時だった。 夜空にたくさんもの流れ星が流れた。 こぼれ落ちてくるのではないかと言わんばかりに流れ星の大群が夜空を駆け巡った・・。 この流れ星の大群はきっと天国にいる彼からのメッセージであろう。 「僕の分まで幸せになってね」 そう私には聞こえた。 頬をに濡らす涙と共にそっと私は微笑んだ。 END
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