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メイクの仕上げに赤いマスカラをして出勤する。
どこからか声が聞こえた。
「最近、キレイになった?」
高橋隼とすれ違った。
彼のルックスは瞬く間に社内に広がり、一番花形の部署に配属された。
すれ違いざまにジャケットのポケットに何か放り込まれる。
「もう一つ好きが増えるアイテムです」
それは『茜』と書かれたアイシャドウだった。
私は彼に魔法をかけてもらったあの日、『茜』という古風な名前が好きになれないと話したことを思い出した。
あれから物語を綴っていない。
メッセージに気付くのはまだ先になりそうだった。
【茜色のあなたに恋をした。from星の王子さま】
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