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子供のころから空想が好きだった。
入口は絵本。文字のない絵本は想像力をかき立てる。
ページをめくるとキラキラした世界が待っていた。
幼少期には才能があると大人たちに褒められたこの感性は、自分の成長と共に現実の世界では受け入れられにくいのもとなる。
お付き合いした異性からは『妄想癖』を指摘されることもあった。
社会に出て大失恋した私は、現実逃避の旅に出かけた。
それはインターネットの世界。
最初はつぶやきのようなものを投稿した。一つ二つ反応があった。
次に日記のようなものを。すると共感してくれる人が現れ、この世界は居心地良いと感じるようになった。
そこで物語を綴ってみた。パソコンに向かうとアイデアが次々浮かび、作品を仕上げるころには不思議と心が軽くなっていた。
【素敵な文章ですね。from星の王子さま】
最初のコメントが届いたのは小説を投稿してから数日してからだった。
【素敵な文章】【星の王子さま】この褒め言葉と彼のハンドルネームは私の励みとなり癒やしとなった。
【ありがとうございます。fromジェニファー】
あえて簡単なコメントを返すことで、空想と妄想の境界線を保っている。
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