2・赤い血の滴る流星

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2・赤い血の滴る流星

 何千年もの間、他国との戦争を繰り返し。  何百年もの間、人工的に兵士を作る事を繰り返し。  その結果、自国に蔓延(まんえん)したものは。  生まれつき、硝子のように透き通った瞳を持ち。  第二次性徴期を迎える前に、肉体の成長が止まり。  死した肉体が星に変わり、空を堕ちる奇病(きびょう)────“流星病症候群(りゅうせいびょうしょうこうぐん)”に罹患(りかん)した、多くの子供達だった。  先代の王が、言った。  いずれ星に変わるのならば。  軍人恩給(余分な金)を支払う必要はあるまい。  流星病症候群の子供達を徴兵せよ。  時は流れ、当代(とうだい)。  赤い血の(したた)る流星が、国内の空を駆けていた。
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