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3・再会、そして
鉛の銃弾の飛び交う音が、止む。
私は太い木の幹に背を押しつけ、ハァハァと熱い息を吐く。
だらりと下がった両腕が持つライフルは、既に弾切れだ。
残る武器は、奥歯に仕込んだ自爆用の爆弾のみ。
死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
カサ、と、枯れ葉を踏む足音が近づいてくる。
私は震える唇を噛み、ライフルを胸に抱く。
死にたく、ない。
「天音。僕だよ」
私と同じ声が聴こえ。
私はズルズルと、その場に座り込む。
「雨音……!」
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