パパが優しい日

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ママの声で目が覚めた。 もうお外は明るい。 ママについていって、テーブルに着く。 朝ごはんはぼくの大好きなスクランブルエッグだ。 「昨日は楽しかった?」 ママがぼくに聞いた。 「とっても楽しかった。今度はママもいこうね」 「うん」 「パパは? もう行っちゃった?」 「行っちゃったよ」 「パパなんじに、帰ってくる? パパにありがとうって言わないと」 ママを見ると、ぼくのほうを見てなかった。 ママに聞いてるのになにも言ってくれない。 おかしいなって思ってるとママが急にこっちを見た。 「パパね、もう帰ってこないの……」 どういうことなんだろう? わからなくって聞いてみる。 「いつ帰ってくるの? あした?」 ママがとつぜん泣きだした。 「もうずっと帰ってこないの……。ごめんね。これからはママと二人で暮らすの」 どうして? パパとはもう遊べないってこと? 昨日が最後だったの? だからパパは優しかったの? そんなのやだ!! 最後だって知ってたらパパをあんなに困らせたりしなかったよ? ねむたいのだってがまんして、もっとパパとお話ししたよ! 「なんで? どうして?」 「ごめんね」 そう言ったママの顔は、昨日のパパと同じ顔みたいだった。
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