パパが優しい日

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今日はパパとお出掛けの日。 パパに行きたいところを聞かれたからぼくはすぐに、遊園地って言ったんだ。 「じゃあ今度の日曜日に行くか?」 そう聞かれたからぼくは嬉しくて、行く!ってすっごくおっきな声を出しちゃった。 「ママは一緒に行かないの?」って聞いたら、「ママは今日お仕事で行けないんだよ、だからパパと行くんだ。パパと二人は嫌か?」 そんなことない、ママがいないのは嫌だけど、ママとはいつも一緒にいられるから、ぼくはパパとお出掛けできるのが嬉しかった。 「ううん、早くいこ」くつをはいて、パパの手を引っ張る。 遊園地はすごく楽しかったけど、ぼくには広すぎて疲れてしまった。 「足がイタい!もう歩けない!」 ぼくがそういうと、パパはすごく困った顔をして、ぼくをおんぶしてくれた。 今日のパパはいつもよりやさしくて好き。 パパの背中はすごくおっきくって、なんだかあったかくって、気持ちよかったんだ。 パパがぼくに話しかけてるのはわかってたんだけど、だんだん聞こえなくなって、気が付いたら電車の中にいた。 「もう家に帰るの!? まだ遊びたかったのに!!」 ぼくがおっきい声を出したから、パパはまた困った顔をしていた。 「もう遅くなっちゃったから帰ろう? なっ?」 「やだ!!」 「わかった。じゃあご飯食べに行こう? どこがいい?」 今日のパパはやっぱりおかしい。 いつもだったらぼくがわがままを言うとめんどくさそうに怒るのに。 「ご飯じゃなくて遊びたいの!!」 ぼくは怒られないのをいいことに、いっぱいわがままを言っていると、家の近くの駅に着いた。 「パパおんぶして?」 遊びたいってわがままいったけど、ほんとうはもう、つかれちゃった。 パパの背中は、ほんとうに気持ちいい。 ねむたくなってそのまま寝ちゃった。
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