星の送り人

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 幾千の時を経た今でも、村にはその伝統は受け継がれていた。五年に一度、流星群が降る夜、村では祭りと称して星を解き放してやる【星神祭(せいじんさい)】が行われる。そして今年の【星神祭】が行われるのは、明日だった。  伝統になった星を捕まえ、解き放つ作業は、いつしか星を管理する役目をそれぞれ担う者が決められるようになった。一人は新たな星を捕まえる役目を担う【(むか)(びと)】、もう一人は老いた星を空に帰す役目を担う【(おく)(びと)】。その全ての担い手を【星守(ほしもり)】と呼び、ある一族が脈々と受け継いでいる。  セイラはその一族の末裔だった。代々一族では、星を包み込むことができるほどの手の大きさになる十五歳から、星守としての役を担うと決められていた。  そして十五の歳を迎えた今年、セイラは初めて星守としての役を担う。
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