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セイラが初めて星を見たのは、五歳のときだった。
星守の役割について教えられ、祖父に連れられて実物の星を見に神殿にやって来たセイラの前に、星は鎮座していた。最初はただただその圧倒的な光の美しさに見惚れているだけだったが、次第に台座に大人しく腰掛けている姿がいじらしく思えてきて、傍に寄って「綺麗ね」と呼びかけてみた。すると、星は答えるように小さく瞬いた。
セイラはその時、この子は言葉がわかるのだと思った。それ以来、星に話しかけるようになったのだ。
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