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柴ちゃんからお許しも貰えましたし、萩山監督やコーチの皆さんもいいんじゃねって顔をしていましたから、俺はチームメイトの祝福をある程度頂いたところで、すっと静かにベンチ裏に下がる。
ランナーを残して交代を告げられたピッチャーは、その回が終わるまでベンチに残って試合の行方を見届けるルールというか、マナーみたいなものがありますけれども。
こちとらはやれるだけの仕事はやりましたのでね。何ならドヤ顔でベンチ裏に下がっていきますよ。
するとそこには、トレーナーなトレーニングコーチ、別室で他球団の試合をチェックするスコアラーおじさんなどがいまして、そのおじさん達からも、ナイスヘッドスライディングを誉められながら俺はソーダ味のアイスを1本貪る。
そんなことをしながら、群がってきたおじさん達とわいわい話したり、宮森ちゃんに談話を取られている間に2アウト3塁までいったが得点には至らず。
逆に、9回表。11試合目にしてのチーム初勝利を賭けてクローザーキッシーがマウンドに上がった最後の守り。
先頭打者を完全に打ち取りながらのサード前内野安打。続くバッターも完全に打ち取りながらのショート前ボテボテで1アウト2塁。
3人目には普通のセカンドゴロで2アウト。
そして代打で出てきたバッターに……。
「打ち取った! 詰まった当たり! レフト杉井突っ込む! 捕れない!!フライヤーズ同点!9回2アウト! 代打杉屋のタイムリーで、土壇場! 同点に追い付きました!」
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