占い信じる新井さん。

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俺はそんな占いなんてと思ったのだが、他ならぬみのりんが提案してくれたことですから、2、3000円募金するつもりで、移動日となっていた翌日。 自宅近くから、宇都宮駅に向かうバスに俺は乗り込んだ。 平日のお昼前ですから、バスの乗客は少なくて、優雅にダンスを躍る余裕もあったりしまして。 バスが俺を乗せて再び走り始め、5分6分経った頃ですかね。なんとかクリニック。 なんとか歯科などの建物が側にあるバス停に停車しますと、杖をついたおばあ様がえっちらおっちらとバス乗ってきまして、ちゃんと交通電子カードをピッとやると、通路を挟んで俺の隣の座席にその曲がった腰を下ろした。 そしてガッツリ俺の方を見てきて、その老婆は言う。 「あなた、冬にこのバスで会った野球選手のお兄さんだねえ? キッヒッヒッヒッ!」 ぎぃややああぁぁぁっ!!! 「何て反応をするんだい!? 失礼な野球選手だね!」 俺の悲鳴を聞いたおばあ様は、そう言って怒りをあらわにした。 「おばあ様、まだ生きてらっしゃいましたの?あの冬を乗り越えるなんて、なかなかおやりになりますわね!」 「フン! あと10年は生きるつもりだよ!その、ふざけた喋り方は止めな!」 「ギャハハハハ!」 「何笑ってんだい! バチが当たって、ヒット打てなくなるよ!」 うちのおばあちゃんもそうだが、今の80代はまだまだ若い。杖をついているわりにはエネルギッシュで、口調もしっかりしている印象だ。 ちゃんとツッコミ入れてくれるしね。
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