占い信じる新井さん。

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「そうそう。次の試合はいつあるんだい? 都合がつけばじいさんと一緒に応援に行こうと思ってねえ」 おばあさんは、杖をつきながら座席に座った体勢のまま高い集中力を発揮してこちらを見ている。 まるでネクストのわっかで臨戦体勢になっている野球選手の如く。 「今日は移動日という名のお休みでして、その後は3日間、ビクトリーズスタジアムで試合がありまして、木曜日からは東京遠征とかそんな感じなのよ」 「あら、そう。忙しいんだねえ」 「そうだ。おばあちゃんはケータイは何持ってるの? スマホだったら、簡単にいつ何時からどこで試合があるのかすぐに分かるのよ」 そう訊ねて見ると、おばあちゃんはちと待ってなと言って小豆色のお召し物をまさぐる。 「最近、新しいのに換えてもらったんだよ」 そう言って出してきたのは、春に出たばかりな最新機種のスマートフォン。しかも、俺が持っている機種シリーズのやつ。 う、羨ましい。 俺はここにきて50は年上のおばあに劣等感を抱きつつも、そのおばあの隣の座席に座り込んだ。 「めっちゃ使いやすい、プロ野球の速報アプリがあるのよ」 「あら、そうなの」 「プロ野球が言ってるんだから間違いないよ。ちょっとスマホ貸してみ」 俺はおばあからスマホを奪い取り、ポチポチと操作し始めた。
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