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「はい、おばあちゃま。アプリのインストールが終わりましたよ」
「………え? 何だって?」
「インストール。このスマホでプロ野球の情報を見れるようになりましたってこと。ほら、試しにやってみ」
おばあは返されたスマホを受け取り、少し顔から遠ざけるようにしながら画面に目を凝らす。
「………えー………これかな? 野球のボールの形した………」
「おっ、さすが! そのマークを触ると、アプリが立ち上がりまして、最初にお気に入り球団を選ぶところに行くから………」
「なるほどねえ。あなたの………お気に入りチームを選んでと…………えーと…………東京スカイスター…………」
「北関東ビクトリーズちゃうんかい!!」
「アッハッハッハッ!」
おばあ、めっちゃウケてるやん。なに自然な流れでボケてくれてんねん。
「するとほら、カレンダーみたいになって、ビクトリーズのマークがあるでしょ。その日が試合がありますよって意味で………」
「ほうほう」
「さらにその日付をタッチすると、ババンと大きくなりまして。どこの球場で何時から試合が始まるかすぐに分かるわけ」
「あらー。これは分かりやすくていいねえ」
そんな感じで宇都宮駅に着くまでの間、おばあにプロ野球速報アプリについてレクチャーしてあげた俺。
あとこのおばあが50若ければ攻略対象だったのだろうけど。
さすがにボールが高すぎてバットが届かないですわね。
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