占い信じる新井さん。

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「ほう、これは………」 俺が選んだカードの絵柄を見た占い師さんは顎に曲げた指を当てながらしばらくの間、考え込むようにして唸った。 狂犬病の予防接種なんて縁のなさそうな狂暴な犬と中世ヨーロッパの戦場みたいな血生臭い絵。 やべーカードを引いてしまったのではないかと、そわそわする俺であったが、占い師さんのお口から出た言葉は意外なものであった。 「あなた様自身の運勢は悪くないようですね」 「えっ、そうなの? なんだかどちらのカードもおどろおどろしい雰囲気なんですけど」 「カードの絵柄自体はこういうものなのであまりお気になさらず。重要なのは引いたカードの取り合わせですから」 「カードの取り合わせ?」 「そうです。あなた様がまず引いたこの番犬のカード。これは、満ち溢れたエネルギー。闘争心。縄張りを示すカードになっていまして、こちらの戦場のカードはあなた様の仕事場や活動する場所戦う場所を示しています。 そういう意味では、あなた様の仕事ぶりや取り組み方に関しては非常によろしいのではないかと考えられます」 いやあ、改めてそんな風に言われると照れますなあ。 「しかしそれでいて、あなた様自身で運気が悪いと感じているのでしたら、恐らくはその仕事場全体の流れがよくないのでしょうね」
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