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「ん?」
「この間さ、二人で花火見たよね」
慧ちゃんが真っ直ぐこちらを見ていた。
「うん、見たね」
慧ちゃんに告白する前、まだただの友人同士だと慧ちゃんが信じていた数週間前のことを私は思い出す。
毎年、うちのベランダからはっきりと花火が見えるので、今年は約束して二人で見たのだった。
空に向かって一直線に細い光が登って、それが空の真ん中ではじける様子。
赤や緑、真っ白な線がちらちらと四方八方に輝きながら降っていった。
何か食べながらが良かったので、冷蔵庫から冷やしたゼリーを持ってきて、慧ちゃんと二人で食べながら見た。とても綺麗だった。
ジロウは花火の音にたいして吠えていたな。
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