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父の歩んだ栄光
僕のお父さんは僕なんかが考えるよりもすごい人だった。
勝負の世界において、お父さんの名前はみんなが知っていた。僕のお父さんの名前を知っていたからこそ、お父さんの息子である僕のこともみんなに知られることとなった。
「お前が、あいつの息子か……」
僕を初めて目にする人の第一声はいつも決まっていた。
“あいつの息子”、“これがあの最強の子供”
いつも僕の前には父さんを表す言葉が添えられていた。最初はとても誇り高かったけど、それは同時に僕の重りへとなっていったのだった。
僕を僕として見てくれる人は誰もいなくて、それは心苦しかった。でも、だからこそ、父さんの七光りではないことを僕は目標に走り出した。
絶対と言われた父を越えるために。
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