トルコでの初日

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トルコでの初日

フェーリー代も節約する為に食事無しの切符にし、約2日間続いた船旅中にお湯だけもらってお茶とコンソメスープで忍んでいた。船の揺れに慣れていない私はずっと船室にこもり、ごろごろしていたが、アントンがピンピンであちこち回り、海に時々見えていたイルカに手を振ったり、船客応接室で映画を見たり、スイスの旅行者とも何語か知らないけど話したそうです。 二泊三日目の早朝にイスタンブルに着いた。税関は割とスムースに通り(アントンのリュックだけが引っ掛かり、「開けろ」と言われ、税関士の疑いを呼んだ小さな斧に関して私が上手く説明した)、直ぐも自転車に乗り、ボスポラス海峡沿いに走り出した。 周りの風景が中々綺麗で、海をじっと見つめたらリュックが道沿いの壁に擦って自転車から転んでしまった。良いことに怪我もなく、車もなかったので助かった。 イスタンブルで私は一番見たかったのはアヤソフィア教会で、直接そこに向かった。アントンが船のどこかで手に入れたガイドが非常に分かり易く、1時間もかからない内に目的地にたどり着いた。 アヤソフィアの入場料は8ドルで、私が躊躇無くチケットを買いましたが、アントンが文化的なものにあまり興味がなく、外で待っていた。11世紀のモザイク、千年に亘ってこの教会を訪問した数百万人の足踏みで7-8センチ凹んだ足元の石、その従来の堂々たる雰囲気に感動した。一部のイコンの上にイスラムのサインが上乗せられ、その下に何が描かれたのか強い好奇心も抱いた。  そろそろ暗くなりかけ、テントを張る場を探し出した。しかし、10キロ程走っても都会が終わらない。一旦張ろうと思った場所に酔っ払いギャングが現れ、どこかの施設で許可を聞いて片隅に張らせてもらうという所謂「プランB」に切り替えた。「プランB」が働いて獣医クリニックのテラス辺りでテントを張らせてもらった。ストーブで飯を炊いて、腹いっぱい食ったら気分が少し上がった。その日は27キロ走った。
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