山蛇

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山蛇

道沿いにあるカフェに誘われながら進んでいた。カフェから誘う人が我々は金持ち外国人だと思っているのかな。確かに、旅をする外国人は基本的に金持ちなのだ。ただし、我々は例外だ。カフェの誘いを無視しながら進んでいる。 エフェソス市の近辺に入りました。アルテミス神殿やローマ帝国時代の劇場の跡辺りが全世界からのツーリストでワクワクするので人の割と少ないカフェの近くに自転車と荷物を預けて見学に出かけた。山越の道が短いので山を登った。草が高く、暑いのに長靴を履いた羊飼いがいた。 「こんなに暑いのに何で長靴を履いているのかな」とアントンが尋ねてきた。私にも返事がなかった。山から下りて丁度ローマ劇場跡の前に至った。あの規模で感動しました。3千年前に渡った気がし、古代ローマの住民として自己感覚した。アルテミスの神殿、摂氏の図書館、ローマのテルマ(銭湯)跡等目が離せない程錆感じの素晴らしい遺跡である。 ふと見たら道の傍らに大きな蛇の死体が置いてあった。「この蛇の親戚がひょっとして我々はサンダルで歩いてきたあの草の高い山に住んでいるちゃうか?」とアントンに聞いた。「だからあの羊飼いが長靴を履いていた!」とアントンが思いついた。 自転車と荷物を置いたカフェまでは数キロ遠い回り道を歩くことにした。山蛇には会いたくなかった。 余りにも疲れて次の日は海に泳いだり、日に焼けたりすることにした。二週間で初の休みとなった。
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